大阪の西成区の新今宮駅の南側に広がる安宿街。
通称「あいりん地区」又は「釜ヶ崎」とよばれています。
どちらも正式な地名ではなく、釜ヶ崎は昔の地名。あいりんは政府が決めた愛称だそうです。
日雇い労働者の街として栄えてきた歴史があり、今もなお日雇いの仕事を求める労働者や職にあぶれた路上生活者が多く住んでいます。
住民のほとんどが単身世帯の男性で、一泊1000円前後の宿に身を置く人や、そのお金すらない人は、路上に布団を敷いて寝ています。
お金のない人が多く住んでいることもあり、この地区を歩いている人の服は破けていたりヨレヨレだったりします。
そのため、全国でも指折りの「治安の悪い街」としてたびたびニュースや新聞で取り上げられいるので、大阪の方はもちろん他府県の方も名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。
あいりん地区にある警察署は土地柄もあって、たびたび住民による暴動が起きます。
暴動の理由は警察官からの暴力に対抗してとか、パチンコ屋がつぶれたとか様々ですが、ひとたび暴動が起きると機動隊が出動するほどの大騒動になっていしまうそうです。
そのため、警察署周囲は高い頑丈な柵に囲まれており、正面玄関には長い警棒を持った警官が常駐。裏口は暗証番号を入力しないと入れない分厚い鉄の扉になっています。
この地区内の公園には路上生活者が建てたブルーシートの家がならんでおり、なんとも異様な雰囲気を醸し出しています。ちなみにブルーシートの家を持てるのは、ごく一部の路上生活歴の長い「玄人」だけなんだとか。
あいりん地区には「センター」と呼ばれる労働公共安定所があり、早朝には職を求める労働者でにぎわっているそうです。昼間はその日職業にありつけなかった人や、そもそも仕事をする気がない人たちのたまり場になっており、泥酔した人、うつろな目をした人、道端で倒れこんでいる(多分寝ている)人を多く見かけます。
この一角はお酒や排泄物のにおいが鼻を突き、個人的には海外の途上国の裏道に迷い込んだ気分になる、異国情緒たっぷりのスリリングなところでした。
ここまで読んで、あいりん地区にいいイメージが持てないかもしれませんが、わたしは個人的には嫌いな場所ではありません。
理由は二つ。
人が暖かく、食べ物がおいしいから。
あいりん地区、というより西成周辺に住む人は人懐っこい方がとても多いです。
「ねえちゃんなにしてるんや」とか「ええカメラ持ってるなあ、どんな写真撮ってるんや」とか「旅行できてるんか」
などなど…
写真を撮ったり地図を見るために立ち止まると、かなりの頻度でおっちゃんが話しかけてくれます。大きなカメラを持って1人でウロウロしている「ヨソ者」は、かなり目立つようですね。
日本で知らない人に急に話しかけられる場所はなかなかないのでびっくりしますが、あいさつ程度で満足そうに去っていくので悪気があるわけではないようです。
お酒臭い人も中にはいますが、みなさん人懐っこい感じでした。
次にグルメ。
レポーターは勝手に「西成グルメ」と呼んでいます。
この西成グルメが安くておいしい!!
おいしすぎて食べかけの写真しかなくてすみません。
料理のジャンルは鉄板焼きのホルモンや一人鍋、おでん、お好み焼きなど…
居酒屋メニューで味のしっかりした料理が中心のお店が多く、地元民はもちろんネットや噂を聞きつけて旅行者もやってくる名店がひしめき合っています。
お店の人も住民同様、とても人懐っこいので「お茶飲んでいきや」「どっからきたんや」「そこせまいからこっち座り」などととてもフレンドリーに接してくれます。
チビチビお酒を飲みつつ、西成グルメを2,3件食べ歩き、おなか一杯になってもせいぜい一人2000円程度と激安なのも魅力のひとつ。
いかがでしたか?
この記事を読んで少しでも西成に興味を持っていただけたら幸いです。